目元の美しさは顔全体の印象を大きく左右します。二重形成や目頭切開、目の下のたるみ除去など、現代の美容外科では多種多様な施術が登場し、患者様一人ひとりの理想や悩みに合わせた治療が可能となっています。本記事では、実際に施術を受けた患者様のリアルな体験談やよくあるご質問とその回答をもとに、医師目線も交えつつ、目の整形に関する最新情報と注意点、術式の選び方、アフターケア等について徹底解説します。

目の整形（眼瞼形成術）は、機能面および審美面の両方にアプローチする美容外科手術です。主な施術には、二重まぶた形成（埋没法・切開法）、目頭切開、目尻切開、眼瞼下垂手術、涙袋形成、目の下のたるみ取り（下眼瞼形成）、さらには蒙古襞形成や逆さまつ毛矯正などがあります。

眼瞼の手術は単に「見た目を良くする」だけでなく、視野の拡大やまぶたの重さの改善など、機能的な側面も重視されます。また、個々の骨格や皮膚の厚み、加齢変化、民族的特徴などを考慮したオーダーメイドのデザインが重要です。

• ・埋没法：切らずに糸で留める二重まぶた形成法。ダウンタイムが短く、気軽に受けやすい。
• ・切開法：皮膚を切開して二重のラインを作る。より長期的な効果が期待でき、まぶたの脂肪除去も同時に可能。
• ・目頭切開：蒙古襞を切開して目を大きく、華やかに見せる術式。
• ・眼瞼下垂手術：まぶたを開ける機能が低下した際に行う。視野拡大や疲れ目の改善目的でも適応。
• ・下眼瞼形成（たるみ取り）：加齢や遺伝で生じる目の下のふくらみ・たるみを除去し、若々しい印象へ。

目の整形を検討する際に重要なのは、「自分に合った施術を選ぶこと」と「リスクやダウンタイム、期待できる効果を正しく理解すること」です。

1. 目元の解剖学的特徴を理解する
まぶたは皮膚、眼輪筋、眼窩脂肪、瞼板、挙筋腱膜など複雑な層構造を持っています。二重手術の場合、どの層にどのようにアプローチするかで仕上がりや持続性が変わります。また、蒙古襞の有無や強さ、皮膚の厚み、脂肪の量、骨格的な奥目・出目なども施術選択に大きく影響します。

2. カウンセリングの重要性
医師とのカウンセリングでは、理想のイメージや希望、これまでの施術歴、アレルギー、全身疾患、仕事や生活習慣などを詳細に伝えることが必要です。また、シミュレーションや症例写真を使って仕上がりのイメージをすり合わせることが大切です。

3. ダウンタイムとリスク
術後には腫れ・内出血・痛みなどのダウンタイムがあります。埋没法は比較的短く、切開法や目頭切開は数日～1週間程度の目立つ腫れ、その後2週間～1ヶ月で徐々に自然になじみます。リスクとしては左右差、感染、瘢痕、過剰な変化、希望と異なる仕上がりなどがあり、事前の理解が重要です。

4. 術式ごとの特徴

• ・埋没法：ダウンタイムが短く、やり直しも比較的容易。元に戻る可能性もあり。
• ・切開法：半永久的な効果。まぶたの脂肪除去やたるみ取りも同時に可能。
• ・目頭切開：目の横幅拡大、二重ラインの安定化、目元の印象変化。
• ・下眼瞼形成：クマ・たるみの改善、若返り効果。

実際に目の整形を経験された患者様の体験談は、多くの方にとって参考となります。今回は、20代女性・30代男性・40代女性の3名の声と経過写真をもとにご紹介します。

20代女性：埋没法で理想の二重に

「高校生の頃から一重まぶたがコンプレックスで、アイプチで二重を作っていましたが、メイクに時間がかかり、夏場は汗で取れてしまうのが悩みでした。社会人になって思い切って埋没法を受けました。

手術当日は緊張しましたが、点眼麻酔と局所麻酔で痛みはほぼ感じませんでした。術後は少し腫れましたが、翌日からメガネをかけて出勤。3日目にはほぼ気にならなくなりました。1ヶ月後には理想通りのパッチリ二重になり、大満足です。

友人にも『自然で全然バレないね』と言われ、自分に自信が持てるようになりました。」

30代男性：眼瞼下垂手術で目の開き改善

「パソコン作業が多く、夕方になると目が重だるく、無意識におでこに力を入れてまぶたを開けていました。眼科で『軽度の眼瞼下垂』と言われ、美容外科で相談。

挙筋腱膜前転術を受けたところ、術後数日は腫れと違和感がありましたが、1週間で腫れが引き、視界がパッと明るくなりました。おでこのシワも減り、目の疲れも軽減。『目つきが良くなった』と同僚に言われました。」

40代女性：下眼瞼形成でクマとたるみ改善

「年齢とともに目の下のふくらみとクマが目立つようになり、老けて見えるのが悩みでした。下眼瞼脱脂術（経結膜アプローチ）を受けたところ、翌日から腫れがありましたが、1週間でメイクができる程度に回復。

3ヶ月後には目の下がフラットになり、若返った印象に。『何かした？』と聞かれることはありましたが、不自然さは全くなく、やってよかったと思います。」

目の整形には様々な術式があります。それぞれの特徴や適応、術式の流れ、メリット・デメリットを専門的な視点から詳しく解説します。

埋没法（非切開式重瞼術）

埋没法は、極細の医療用ナイロン糸をまぶたの裏側または表側から通し、瞼板または挙筋腱膜に固定することで、希望する二重ラインを形成する手術です。

主な術式のバリエーションには、2点留め、3点留め、4点留め、ループ法などがあります。挙筋法（まぶたを上げる筋肉に糸をかける）と瞼板法（瞼板に糸をかける）があり、まぶたの厚みや皮膚の性状、持続性を考慮して選択します。

メリットはダウンタイムの短さ、傷跡がほとんど目立たないこと、やり直しが容易な点です。デメリットは強い腫れぼったいまぶたや脂肪が多い場合には取れやすいこと、加齢やまぶたの変化でラインが薄れることがある点です。

切開法（切開式重瞼術・部分切開法・全切開法）

切開法は希望の二重ライン上を部分的または全長にわたって切開し、皮下組織や眼窩脂肪を適宜除去しながら、瞼板または挙筋腱膜にラインを縫合固定する術式です。

部分切開法は2～5mmの切開で、全切開法は10～30mmに及ぶこともあります。まぶたの脂肪が厚い方や、加齢によるたるみがある方、埋没法でラインが安定しなかった方に適しています。一度形成すると半永久的な効果が期待できますが、腫れや内出血が強く2週間程度ダウンタイムが必要です。傷跡は時間とともに目立たなくなります。

目頭切開

目頭の蒙古襞を部分的に切開し、目の横幅を拡大し、二重のラインを安定させる手術です。代表的な術式にはZ形成術、W形成術、リドレープ法などがあります。蒙古襞の発達が強い場合、内側の白目（涙丘）が隠れていることが多く、切開によりバランスの良い目元になります。

術後は腫れ・内出血が1週間程度ありますが、傷跡はメイクで隠しやすく、時間とともに薄くなります。切開範囲が大きすぎると目頭が尖りすぎたり、傷跡が目立つことがあるため、デザインが重要です。

目尻切開

目尻側の皮膚を切開し、目の横幅を広げて優しい印象や切れ長の目にする術式。目頭切開に比べて変化量は控えめですが、横幅や下方向への拡大を希望する際に適しています。目尻の骨格や結膜の長さによって、適応が限られる場合もあります。

眼瞼下垂手術（挙筋腱膜前転術・ミュラー筋短縮術 他）

上まぶたを持ち上げる筋肉（挙筋やミュラー筋）の働きが弱い場合、まぶたが下がり視界が狭くなります。挙筋腱膜を前転し、瞼板にしっかりと縫合固定することで、目の開きを改善します。重症例では前頭筋吊り上げ術を併用することも。

手術直後は腫れや目の開きすぎ、左右差が出ることがありますが、数週間で落ち着きます。機能改善と審美的な変化を両立できるのが特徴です。

下眼瞼形成（経結膜脱脂術・皮膚切除術 他）

目の下のふくらみ（脂肪の突出）やたるみ、クマの改善を目的とした手術です。結膜（まぶたの裏側）から脂肪を取り出す「経結膜脱脂術」は傷跡が表に出ず、比較的ダウンタイムも短め。皮膚のたるみが強い場合は、皮膚切除やリフトアップを併用します。

涙袋形成（ヒアルロン酸注入・脂肪注入）

目の下にふんわりとしたふくらみ（涙袋）を作ることで、優しい・可愛らしい印象に変える方法。ヒアルロン酸注入が主流ですが、持続性を求める場合は自己脂肪注入も選択肢に。腫れや内出血は少なく、気軽に受けやすい施術です。

目の整形後の経過やアフターケアは、仕上がりや満足度を大きく左右します。ここでは、代表的な術式ごとのダウンタイム、注意点、効果的なケア方法について解説します。

術後の経過（ダウンタイム）

• ・埋没法：腫れは1～3日、内出血や違和感が1週間程度。翌日からメイクや洗顔が可能な場合も。
• ・切開法：腫れ・内出血が強く1～2週間、抜糸は5～7日目。1ヶ月程度で自然な仕上がりに。
• ・目頭切開：腫れ1週間、抜糸5～7日目。傷跡の赤みは2～3ヶ月で薄くなる。
• ・下眼瞼形成：腫れ・違和感1週間、内出血2週間程度。メイクは1週間後から可能。

アフターケアのポイント

• ・術後数日は安静にし、患部を強くこすらない。
• ・冷やすことで腫れ・内出血を最小限に（アイスノンや冷たいタオル等）。
• ・医師の指示に従い、抗生剤や鎮痛剤を内服。
• ・洗顔・メイク・コンタクト装用は医師の許可が出るまで控える。
• ・喫煙や飲酒、激しい運動はダウンタイム中は避ける。
• ・異常な痛みや腫れ、高熱、視力低下があればすぐに受診。

術後の左右差・イメージの違いについて

初期は腫れやむくみによる左右差や違和感が生じやすいですが、2週間～1ヶ月程度で馴染むことが大半です。ただし、明らかな非対称や希望と異なる場合は、ダウンタイム終了後に医師にご相談ください。

患者様から寄せられるご質問と、それに対する美容外科医としての回答をまとめました。

Q1. 埋没法は本当にバレませんか？

A. 埋没法は傷跡がほとんど残らず、腫れも短期間のため、他人から気づかれにくい施術です。ただし、まぶたの腫れぼったさやデザインによっては「変化」を指摘されることもあるため、自然なデザインを希望する場合はカウンセリング時にしっかりと意思を伝えましょう。

Q2. 二重幅はどのくらいが自然ですか？

A. 一般的に6～8mm程度が自然とされますが、骨格や目の開き、蒙古襞の強さ、まつげの角度など個人差が大きいため、シミュレーションで確認しながら決めることが重要です。幅を広くしすぎると眠たそうな印象になることも。

Q3. 切開法は何歳から受けられますか？

A. 年齢制限はありませんが、まぶたの成長（思春期以降）が安定した頃（16歳以上）が推奨されます。未成年の場合は保護者の同意が必要です。

Q4. 二重が取れた場合、再手術はできますか？

A. 埋没法の場合、糸が外れて取れてしまうことがありますが、再度埋没法を受ける、または切開法に切り替えることで対応可能です。皮膚や組織の状態によっては、デザイン変更や修正手術が必要な場合もあります。

Q5. 目頭切開・目尻切開の傷は目立ちますか？

A. 目頭切開の傷は赤みが2～3ヶ月程度残りますが、メイクで隠せることがほとんどです。時間の経過や適切なスキンケアでほとんど目立たなくなります。目尻切開も同様ですが、元々の皮膚の性質や術後のケアによって差が出る場合もあります。

Q6. 目の整形後、コンタクトレンズはいつから使える？

A. 埋没法やヒアルロン酸注入では翌日から装用可能なことが多いですが、切開を伴う手術（切開法・下眼瞼形成など）では抜糸後（5～7日後）からが目安です。医師の指示を必ず守りましょう。

Q7. 目の整形は何回まで受けられますか？

A. 明確な回数制限はありませんが、繰り返しの手術で皮膚や組織へのダメージが蓄積し、瘢痕や癒着、浮腫みやすさ、デザインの制約が生じることがあります。再手術を希望される場合は、担当医と十分な相談が必要です。

Q8. 術後の腫れを早く引かせる方法は？

A. 冷却（アイスパック）、頭を高くして休む、安静にする、血流を促すビタミンCやタンパク質摂取などが有効です。また、アルコールや喫煙は腫れを長引かせるため控えましょう。

Q9. 目の整形で失敗しないためには？

A. 実績ある医師を選ぶこと、カウンセリングで希望や不安をしっかり伝えること、術後のケアをしっかり守ることが大切です。また、短期間で何度も手術を繰り返すことは避けましょう。

Q10. 他院修正はできますか？

A. 他院で受けた施術の修正も可能ですが、元の術式やダメージの程度、希望デザインによって難易度やリスクが高くなることもあります。修正症例の多い医師に相談しましょう。

目元は顔の印象を大きく左右するパーツであり、整形手術によって大きな変化と自信を得ることができます。しかし、理想の目元を実現するためには、正しい知識と適切な医師選び、十分なカウンセリング、そして丁寧なアフターケアが不可欠です。

患者様の体験談やよくあるご質問を通じて、自分に合った施術の選択や術後の不安解消に役立てていただければ幸いです。

美しく、機能的にも満足のいく目元を手に入れるために、信頼できる美容外科医と共に、最適なプランをじっくり見つけてください。