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小顔整形のリスクと安全な治療選択:専門医が徹底解説
安全な小顔整形を叶えるために知っておきたいリスクと対処策
小顔に憧れる方々は年々増加し、美容外科の現場でも小顔形成術へのニーズは高まっています。しかしながら、安易な施術選択や医師・クリニック選びによるトラブルも近年増加傾向にあり、患者様が十分な知識と慎重な判断をもって小顔整形に臨むことが何より重要です。本記事では、小顔形成術の詳細や解剖学的ポイント、術式ごとのリスク、業界で報告されている重大なリスク事例とその回避策、そして安全な小顔整形を成功させるためのポイントを、専門医の視点から徹底的に解説します。
目次
- ・小顔整形の代表的な術式と解剖学的基礎
- ・他院で報告されたリスク事例の実態と原因
- ・リスク回避策:安全な小顔整形のためのチェックポイント
- ・小顔整形デザインのコツと満足度を高めるカウンセリング
- ・まとめ:安心して小顔整形に臨むために
小顔整形の代表的な術式と解剖学的基礎
小顔整形には様々なアプローチが存在し、患者様の骨格や希望に応じて適切な術式を選択することが重要です。ここでは主な小顔形成術の種類と、それぞれの術式に関わる解剖学的ポイントを解説します。
骨切り術(輪郭形成術)
骨切り術は、小顔形成の中でも最もダイナミックな変化が可能な術式です。代表的なものとしては、下顎角形成術(エラ削り)、下顎骨体短縮術、頬骨縮小術、オトガイ形成術(アゴ削り)などが挙げられます。
これらの術式では、下顎枝の外側皮質骨、頬骨弓、オトガイ部など、顔面骨格の解剖学的理解が不可欠です。下歯槽神経や顔面動静脈、咬筋・側頭筋といった重要構造の損傷回避が何よりも求められます。
脂肪吸引・バッカルファット除去
脂肪吸引(フェイスリポサクション)は、皮下脂肪層のボリュームを減少させることでフェイスラインをすっきり見せる術式です。
一方、バッカルファット除去は頬内部の深部脂肪組織(頬脂肪体)を摘出するもので、解剖学的には咬筋と頬粘膜の間に存在するバッカルファットパッドの正確な位置把握が重要です。誤った層へのアプローチは顔面神経の損傷や血腫などの合併症リスクを高めます。
ボツリヌストキシン注射(エラボトックス)
咬筋の肥大によるエラ張りに対しては、ボツリヌストキシン製剤を咬筋内に注入し、筋肉量を減少させる治療が一般的です。
咬筋の正確な位置と、顔面神経の走行を把握した上で注入深度や量を調整する必要があります。
糸リフト(スレッドリフト)
糸リフトは、特殊な糸を皮下に挿入し、たるみを引き上げてフェイスラインをシャープに見せる術式です。
側頭部から頬部、下顎部へと糸を通す際、顔面神経枝や浅側頭動静脈、耳下腺管などの損傷リスクがあり、層の選択や糸の進行方向が極めて重要です。
他院で報告されたリスク事例の実態と原因
美容外科業界では、術後の合併症や修正手術に関する報告が増加しています。ここでは、実際に他院で報告された小顔整形におけるリスク事例を紹介し、その根本原因を分析します。
骨切り術後の神経麻痺・感覚障害
・下顎角形成術後に下唇の感覚鈍麻が生じた事例が複数報告されています。原因は下歯槽神経の損傷または過度な牽引による虚血です。
・頬骨縮小術後、頬部や眼窩下領域の知覚異常が生じたケースでは、眼窩下神経の近傍操作による損傷が疑われます。
脂肪吸引・バッカルファット除去後の凹凸・たるみ・血腫
・過度な脂肪吸引により皮下組織の菲薄化と癒着が進行し、頬部に不自然な凹凸やたるみが生じた事例があります。
・バッカルファット除去後に大きな血腫が形成され、顔面神経枝の圧迫麻痺を招いた症例も報告されています。
・脂肪組織の左右差による非対称性も、適切なデザインや術中評価の不足が原因となり得ます。
ボツリヌストキシン注射後の表情異常
・過量投与や注入部位の誤りにより、口角下制筋や笑筋への影響が出て、笑顔が不自然になる・口元が垂れ下がるなどの表情異常が複数例報告されています。
・咬筋の過度な萎縮により頬部のたるみが強調されることもあります。
糸リフト後の感染・糸露出・組織壊死
・スレッドリフトの糸が皮膚表面に露出したり、感染から周囲組織壊死を生じた症例も少なからず報告されています。
・これは糸の選択ミスや層の誤認、術後管理の不徹底が主な原因と考えられています。
リスク回避策:安全な小顔整形のためのチェックポイント
小顔整形のリスクを最小限に抑えるには、術前から術後管理まで一貫した安全対策が求められます。患者様・医師双方が押さえておくべきポイントを整理します。
術前評価とプランニング
- 1.や既往歴・アレルギー・持病等の詳細な問診(全身麻酔や薬剤使用時のリスク管理)
- 2.十分な画像診断(CT、レントゲン、超音波)による骨格・神経・血管走行の把握
- 3.顔面非対称や咬合など、術後結果に影響しうる要素の事前確認
正確な解剖学的知識と術式選択
- ・術者が顔面解剖に精通していることを確認
- ・術式選択は患者様の骨格や脂肪量・筋肉の発達度に応じて行う
- ・極端な仕上がりや過剰な施術を求めず、自然なデザインを心掛ける
安全な手技と手術環境
- ・無菌操作や十分な止血、組織損傷の最小化を徹底
- ・術中の神経・血管損傷リスクを最小化するためのモニタリング
- ・緊急時の対応体制(AED・酸素吸入・救急キット等)の整備
術後管理と合併症早期発見
- ・術後は定期的な診察による創部チェック、血腫・感染の有無確認
- ・感覚異常や表情筋の動きの変化があれば直ちに主治医へ連絡
- ・術後指示(圧迫、アイシング、安静等)を厳守
小顔整形デザインのコツと満足度を高めるカウンセリング
小顔形成術の満足度を高めるには、術前のデザインとカウンセリングが極めて重要です。患者様の理想像と現実的な変化のバランスを取るには、以下のポイントが大切です。
黄金比と顔面バランスの考慮
- ・顔の幅、高さ、顎先~口唇・鼻・目の相対的位置を黄金比に基づきデザイン
- ・左右差や咬合、輪郭の流れを意識した自然なライン形成
シミュレーション・術後イメージの共有
- ・3Dシミュレーションや術前・術後比較画像を用いて、仕上がりイメージを明確化
- ・「やりすぎ」や「不自然」にならない範囲をすり合わせる
患者様のライフスタイルや希望への配慮
- ・ダウンタイムの許容範囲、仕事・学校への復帰時期、求める変化量を考慮
- ・一度に大きな変化を希望する場合は、複数回に分けて段階的施術を提案
まとめ:安心して小顔整形に臨むために
小顔整形は的確な術式選択と高度な解剖学的知識、そして医師と患者様の十分なコミュニケーションによって初めて安全かつ満足のいく結果が得られます。
近年、安価な施術や短時間で劇的な変化を謳う広告が氾濫していますが、リスク事例を知った上で、安全性を最優先にクリニック・医師を選ぶことが大切です。
術前のカウンセリングで疑問や不安を十分に解消し、術後も定期的なフォローアップを受けることで、万が一のトラブルも早期に対処可能です。
「美しさ」と「安全」は両立できるもの。小顔整形を検討される際は、本記事の内容を参考に、賢く安心な選択を心掛けてください。