目の整形

目元整形のすべて：施術別ダウンタイム・回復期間と美しいデザインのための選択

理想の目元を叶えるために知っておきたい全知識：目元整形のダウンタイム・回復・デザイン解説

目元の印象は顔全体のイメージを大きく左右します。現代の美容医療では、二重まぶた形成から目頭切開、涙袋形成、眼瞼下垂手術、上まぶた・下まぶたのたるみ取り、さらには最新の非切開式の治療まで、多岐にわたる施術が提供されています。しかし、施術選びにあたって多くの方がもっとも気になるのが「ダウンタイム」「回復期間」「術後の痛みと過ごし方」そして「理想のデザインをどう伝えるか」といったリアルな疑問です。本記事では、各施術ごとの具体的なダウンタイムや回復過程、デザインの考え方について、美容外科医の視点から詳しく解説します。

 

目次

• ・目元整形の主な施術種類とそれぞれの特徴
• ・ダウンタイムと回復期間：施術別徹底解説
• ・痛み管理と術後の過ごし方
• ・理想のデザインを叶えるためのポイント
• ・症例写真とカウンセリングの重要性
• ・失敗例・リスクと修正の現実
• ・まとめ：自分に合った目元整形を選ぶために

 

目元整形の主な施術種類とそれぞれの特徴

まずは目元整形で行われる主要な施術について、その基本的な特徴を整理しましょう。専門用語や術式名も交えつつ、患者様が選択肢を理解できるよう解説します。

 

二重まぶた形成術（埋没法・切開法）

二重まぶた形成術は、日本国内で最も施術件数の多い美容外科手術のひとつです。

• ・埋没法：極細の医療用糸を用いて、まぶたの裏側または表側から数か所を縫い留めることで二重ラインを形成する非切開式の方法。ダウンタイムが短く、傷跡もほとんど目立ちません。ただし、まぶたの厚みにより取れやすいことも。
• ・切開法：まぶたの皮膚を切開し、余分な皮膚や脂肪を除去したうえで二重ラインを作成する方法。半永久的な効果が期待できますが、ダウンタイムがやや長くなります。

 

目頭切開・目尻切開

• ・目頭切開：蒙古ひだを切除もしくは移動させることで、目を内側方向に大きく見せる施術。Z形成術やW形成術、内田法など術式が複数存在します。
• ・目尻切開：目尻の皮膚・粘膜を切開し、目の横幅を広げる施術。後戻りしやすいので術式選択が重要。

 

たれ目形成（下眼瞼下制術）

優しい印象や小動物的な目元を目指す方に人気の施術。下眼瞼の外側を下げることで、たれ目のようなカーブを作ります。切開式と非切開式の両方が存在します。

 

涙袋形成（ヒアルロン酸注入・脂肪移植）

涙袋は目元に立体感を生み、若々しい・可愛らしい印象を与えます。

• ・ヒアルロン酸注入：ダウンタイムがほとんどなく、手軽な方法。
• ・脂肪移植：より自然で持続的なボリュームアップが可能。

 

眼瞼下垂手術

上まぶたが下がり、黒目が隠れてしまう状態を改善する手術。保険適応となることも多く、眼瞼挙筋短縮術や腱膜前転術など複数の術式があります。目の開きが良くなり、顔全体の印象も大きく変化します。

 

上まぶた・下まぶたのたるみ取り（眼瞼形成術・下眼瞼除皺術）

加齢や遺伝によるまぶたのたるみやシワを除去する手術。上眼瞼切開術、下眼瞼切開術（ハムラ法、裏ハムラ法など）があります。

 

その他の目元施術

• ・グラマラスライン形成：下まぶたの外側を下げて目の縦幅を拡大。
• ・目の下のクマ治療：脂肪除去・脂肪注入・レーザー治療などを組み合わせることも。
• ・非切開式リフト：ウルセラ、サーマクールアイなど。

 

ダウンタイムと回復期間：施術別徹底解説

施術ごとに異なるダウンタイムの実情、回復までの経過、注意点について、できるだけ具体的にご案内します。術式名や専門的な管理方法にも言及します。

 

二重まぶた埋没法のダウンタイム

• ・腫れ：術後2～3日がピーク。1週間程度でほぼ落ち着く。
• ・内出血：まれに出現、2週間程度で消失。
• ・痛み：術中は局所麻酔を行うためほぼ無痛。術後の痛みは軽度で、必要に応じロキソプロフェンなどのNSAIDsを内服。
• ・洗顔・メイク：24時間後から洗顔可、48時間後からアイメイク可（糸留め部位に注意）。
• ・コンタクトレンズ：3日後以降が推奨。
• ・運動・飲酒：1週間程度控えるのが理想。

 

二重まぶた切開法のダウンタイム

• ・腫れ：1週間がピーク、2週間で70～80%落ち着く。完全に自然になるまで1～3か月。
• ・抜糸：5～7日目に抜糸。抜糸後は赤みや硬さが残る場合あり。
• ・内出血：2週間ほどで消失。
• ・痛み：埋没法より強め。鎮痛薬処方。
• ・洗顔・メイク：抜糸までは洗顔は優しく、抜糸翌日よりアイメイク可能。
• ・コンタクトレンズ：抜糸翌日以降。

 

目頭切開・目尻切開のダウンタイム

• ・腫れ：術後3日がピーク、1週間で落ち着く。完全に自然になるまでは1か月程度。
• ・抜糸：5～7日目。
• ・傷跡：赤みは1か月ほど、メイクでカバー。
• ・内出血：まれに出現、2週間程度。
• ・洗顔・メイク：抜糸翌日から。
• ・運動・飲酒：1週間程度控える。

 

たれ目形成（下眼瞼下制術）のダウンタイム

• ・腫れ：術後3日がピーク。1週間で目立たなくなるが、完全に落ち着くのは1か月。
• ・内出血：1～2週間。
• ・抜糸：5～7日目。
• ・傷跡：下まつげの生え際に沿うため比較的目立ちにくい。
• ・痛み：軽度～中等度。鎮痛薬でコントロール。

 

涙袋形成（ヒアルロン酸・脂肪移植）のダウンタイム

• ・ヒアルロン酸：腫れや内出血はごく軽度で、多くは当日からメイク・日常生活可。
• ・脂肪移植：腫れや内出血は2～3日がピーク、1週間でほぼ消失。定着まで1か月ほど。

 

眼瞼下垂手術のダウンタイム

• ・腫れ：1週間がピーク、2週間で大幅に改善。自然になるまで1～3か月。
• ・抜糸：5～7日目。
• ・内出血：2週間程度。
• ・視力のぼやけ：一時的に生じる場合がある。
• ・洗顔・メイク：抜糸翌日から。
• ・ドライアイ症状：点眼薬で管理。

 

上まぶた・下まぶたのたるみ取りのダウンタイム

• ・腫れ・内出血：1週間がピーク、2週間で改善。
• ・抜糸：5～7日目。
• ・傷跡：1か月ほど赤み、半年程度で目立たなくなる。
• ・痛み：軽度。

 

非切開式リフトのダウンタイム

• ・腫れや赤み：1～2日程度。
• ・内出血：ごくまれ。
• ・当日から日常生活可。

 

痛み管理と術後の過ごし方

実際に手術後、どのような痛みが生じるか、どのように過ごせば回復が早まるかは多くの患者様が気にされます。ここでは、術後の痛み管理と過ごし方について詳しく解説します。

 

術後の痛みの実情と管理法

• ・局所麻酔は術中の痛みをほぼゼロにするが、術後は腫れ・鈍痛・つっぱり感が残る。
• ・埋没法・ヒアルロン酸施術は痛みが非常に軽度。
• ・切開系や眼瞼下垂手術は軽度～中等度の鈍痛。ロキソプロフェン、アセトアミノフェンなどの鎮痛薬を1～3日内服が標準。
• ・冷却（アイスノンや冷却パックの使用）：術後48時間は特に有効。1回15分以内、1時間に1回程度。
• ・腫れが強い場合は、頭を高くして寝るのも有効。

 

術後の過ごし方・注意点

• ・術後24時間以内は血流が増す行為（入浴・運動・飲酒）は避ける。
• ・洗顔は患部をこすらないよう優しく。石けんの泡で撫でるように洗う。
• ・アイメイクは抜糸翌日以降。マスカラやアイラインは傷を刺激するため最初は控えめに。
• ・コンタクトレンズは目の腫れや傷が安定してから。3日～抜糸翌日が目安。
• ・紫外線対策：施術部位は紫外線に弱くなるため、UVカット眼鏡や日傘使用を推奨。
• ・睡眠：十分な休息をとることで回復が早まる。
• ・感染予防：抗菌薬の処方がある場合は指示通りに内服。

 

理想のデザインを叶えるためのポイント

目元の整形では「どんな形にしたいか」「自分の顔に合うのはどんなバランスか」を明確にし、医師としっかり共有することが大切です。ここでは、理想のデザインを実現するためのポイントを解説します。

 

理想の二重ラインはどう伝える？

• ・幅（狭め～広め）、ラインのカーブ（平行型・末広型）、左右差の有無などを明確に。
• ・参考となる芸能人やSNS画像を提示するとイメージの共有がしやすい。
• ・シミュレーション：マーキングや専用器具で事前にラインを確認。仮留めを行うクリニックも。
• ・まぶたの厚みや骨格の制約により、希望通りが難しい場合もあるので、医師と現実的なラインを相談。

 

目頭切開・目尻切開のデザイン

• ・蒙古ひだの形状・厚みにより適応や限界が異なる。
• ・目頭は切りすぎると「きつい印象」「離れ目」になるため、顔全体のバランス重視。
• ・目尻は白目の幅やカーブ、骨格により後戻りのリスクを考慮した術式選択が重要。

 

たれ目形成・涙袋形成のデザイン

• ・たれ目は下げる角度・幅で印象が大きく変わるため、過度な下制は不自然になることも。
• ・涙袋は太さ・長さ・高さ・左右差など、全体のバランスを見て注入量や部位を微調整。

 

眼瞼下垂・たるみ取り手術のデザイン

• ・黒目の露出量やまぶたの厚み、眉毛位置、開閉力を総合的に評価。
• ・皮膚・脂肪の切除量は、左右差や年齢、将来の変化も想定して計画。

 

症例写真とカウンセリングの重要性

理想の仕上がりに近づくためには、事前のカウンセリングが何より重要です。症例写真の活用や、医師とのコミュニケーションのポイントを解説します。

 

症例写真の見方と活用法

• ・自分の希望に近い症例を選ぶことで、医師とイメージの共有がしやすくなる。
• ・Before/Afterだけでなく、ダウンタイム中の経過写真も確認。
• ・同じ施術名でもデザインや回復経過に個人差があるため、複数例を参考に。

 

カウンセリングで確認すべきポイント

• ・術式の選択理由とメリット・デメリット。
• ・術後のダウンタイム・回復経過の見通し。
• ・傷の位置や目立ちにくさ、左右差発生のリスク。
• ・万が一の修正対応や費用。
• ・医師自身の経験・症例数。

 

失敗例・リスクと修正の現実

目元整形は顔の中心部であるため、失敗やイメージ違いが生じた場合の影響が大きい部位です。想定されるリスクや失敗例、修正方法について、専門的観点から説明します。

 

よくある失敗例と原因

• ・二重幅の左右差、広すぎ・狭すぎ
• ・二重ラインの消失（埋没法の糸外れ・緩み）
• ・目頭切開のやりすぎによる不自然な目元
• ・たれ目形成の下げすぎによる白目の露出・結膜浮腫
• ・涙袋ヒアルロン酸の過剰注入による凸凹・しこり
• ・眼瞼下垂手術後の開きすぎ・閉じにくさ
• ・傷跡の肥厚・赤み・ケロイド化

 

リスク回避と修正の方法

• ・埋没法の取れや左右差は再手術（糸の再固定、切開法への変更）で修正可能。
• ・切開部の傷跡やラインの修正は再切開や脂肪移植など複数の方法。
• ・ヒアルロン酸の過剰注入はヒアルロニダーゼによる溶解で改善。
• ・目頭切開・下眼瞼下制の修正は難易度が高く、専門医による高度な技術が必要。

 

リスク説明と合併症管理

• ・出血・感染・腫れ・左右差・傷跡肥厚などの一般的なリスク。
• ・ドライアイ、逆まつげ、結膜浮腫などの特有の合併症。
• ・術後の定期診察・アフターケアの重要性。

 

まとめ：自分に合った目元整形を選ぶために

目元整形の施術は多岐にわたり、それぞれダウンタイムや回復期間、理想のデザイン、リスクも異なります。自分にとってベストな選択をするためには、「自分の希望・悩みを明確にすること」「医師と十分にコミュニケーションをとり、リスクと回復の現実を理解すること」「症例写真やカウンセリングを活用し、納得のうえで施術を受けること」が大切です。

専門医のもとで安全に施術を受け、美しく生まれ変わるための一歩を踏み出してみてください。

※本記事は医師の監修のもと執筆していますが、施術内容やダウンタイム、術後経過には個人差があります。必ずクリニックでのカウンセリングを受け、ご自身の状態に合った適切な医療を選択してください。