豊胸

豊胸手術のすべて──理想のバストを叶えるための詳細ガイド

手術で叶える理想のバスト──豊胸術の選択からアフターケアまで徹底解説

 

 

豊胸術とは──種類とその概要

豊胸術は、乳房のボリュームアップや形状改善を目的とした美容外科的手術です。現代の豊胸手術は大きく分けて「シリコンインプラント挿入法」「脂肪注入法」「ヒアルロン酸注入法」の3種類があります。患者さんの身体的特徴や希望に合わせて最適な術式を選択します。

• ・シリコンインプラント挿入法：最も一般的で確実なボリュームアップが可能。様々な形状・サイズのインプラントが選べる。
• ・脂肪注入法：患者自身の脂肪を吸引し、乳房へ注入。自然な手触りと仕上がりが特徴。
• ・ヒアルロン酸注入法：手軽にバストアップが可能だが、効果は一時的。

それぞれの術式には適応や特徴があり、患者の体型・希望・ライフスタイルにより選択が変わります。

 

カウンセリングの重要性と確認事項

豊胸手術において、カウンセリングは術後満足度を大きく左右する最重要プロセスです。ここでは、カウンセリング時に必ず確認し議論するべきポイントを具体的に解説します。

希望する仕上がりのイメージ共有

• ・理想のバストサイズ、形状、触感、谷間の強調など、細部に渡る希望のヒアリング
• ・バストの位置や左右差、乳頭乳輪のバランスについての確認
• ・芸能人やモデルの写真など具体的な参考画像の提示を活用

リスク・合併症・限界の説明

• ・各術式に伴う特有のリスク（カプセル拘縮、脂肪壊死、感染、左右差、感覚鈍麻など）
• ・術後のダウンタイムや日常生活への影響、仕事や運動復帰の時期
• ・希望サイズの限界（皮膚の伸展性、体型とのバランス、インプラントサイズの選択制限）

術前の身体的条件・既往歴の確認

• ・過去の乳房手術歴、乳がん家族歴、全身疾患の有無
• ・アレルギー歴や麻酔既往、妊娠・授乳歴、肥満や痩身傾向

これらの情報を詳細に把握し、患者さんと医師が同じゴールイメージを持つことが成功の鍵です。

 

患者希望の正確な把握と術式選択

患者が希望する「理想のバスト」を実現するためには、単にサイズアップだけでなく、バストライン・乳頭位置・触感・左右差・谷間・デコルテのボリュームなど多角的な視点で評価が必要です。

希望の聞き取り方法

• ・希望サイズはカップ数だけでなく、バストトップのプロジェクション（前方突出量）、ベース幅（乳房底径）も確認
• ・衣服着用時とヌード時の見え方の違いへの要望
• ・「自然な仕上がり」か「明確な谷間」「欧米型の高いバスト」など具体的な仕上がりイメージを絞り込む

術式選択の考え方

• ・痩せ型で皮下脂肪が少ない場合は、脂肪注入法単独では希望サイズに到達しにくい
• ・大幅なボリュームアップやデコルテの高さを強調したい場合はインプラント法が適応
• ・自然な手触りや形状を重視し、かつ中程度のサイズアップを希望する場合はコンポジット豊胸（脂肪＋インプラント併用）も選択肢
• ・短期間だけ大きくしたい場合や、メスを使いたくない場合はヒアルロン酸注入法

患者の希望・身体条件・生活背景を総合的に評価し、ベストな術式・アプローチを提案します。

 

豊胸手術の主な術式と適応

ここでは豊胸術の主要な手術法について、その適応・特徴・メリット・デメリットを専門的視点で詳述します。

シリコンインプラント挿入法

• ・代表的製品：Motiva、Mentor、Allergan（Natrelle）など、コヒーシブシリコンジェルを用いたラウンド型・アナトミカル型が主流
• ・挿入部位：大胸筋下、乳腺下、デュアルプレーン（乳腺下＋大胸筋下）
• ・適応：確実なサイズアップ希望、皮膚・組織の伸展性が十分、授乳歴・加齢による下垂の補正
• ・メリット：術後サイズ変動が少なく、希望に応じたボリュームコントロールが可能。長期的耐久性。
• ・デメリット：カプセル拘縮、インプラント破損、被膜石灰化、感染、乳房腫瘤の鑑別困難化などのリスク

脂肪注入法（自己脂肪移植）

• ・採取部位：腹部・大腿・腰部などから脂肪吸引し、乳房へ注入
• ・注入法：マルチレイヤー・マイクロドロップ法が主流。生着を高める工夫（ピュアグラフト、幹細胞添加など）
• ・適応：自然な形状・触感を重視、中等度のサイズアップ希望、インプラントへの抵抗感
• ・メリット：自分の組織なのでアレルギー反応が少ない。術後のしこり・石灰化リスクはあるが自然な仕上がり。
• ・デメリット：生着率に個人差あり（50～70％程度）、複数回施術が必要なことも。
  脂肪壊死・しこり・石灰化のリスク。

ヒアルロン酸注入法

• ・適応：一時的なサイズアップ、ダウンタイムを避けたい、試験的にバストアップを体験したい場合
• ・メリット：10分程度で施術終了、即時効果、ダウンタイムほぼなし
• ・デメリット：半年～1年で吸収される。しこりや皮膚の凹凸、アレルギー反応、感染リスク。

それぞれの術式には独自のメリット・デメリットが存在し、適応症例を見極めることが重要です。

 

術前検査・準備と注意点

豊胸手術は安全性を最優先に考え、術前の検査・準備が欠かせません。以下の項目は術前に必ず確認・実施します。

• ・血液検査：感染症、凝固機能、貧血、肝腎機能
• ・心電図・胸部レントゲン：全身麻酔・静脈麻酔の適応確認
• ・MRI・超音波検査：既往歴や乳腺・乳頭異常が疑われる場合
• ・術前写真記録：術後比較・デザイン計画のため
• ・既往歴・服薬歴の再確認：抗血小板薬・抗凝固薬・ホルモン剤など
• ・喫煙歴の確認と中止指導：術後の血流障害リスク軽減

術直前の飲食制限や、必要時の麻酔科評価も行い、リスクを最小化します。

 

デザインのポイント──自然な仕上がりを目指すために

豊胸手術の「デザイン」は手術成否を決定づける最重要ポイントです。専門家の視点から、自然かつ美しいバストラインを実現するための設計について解説します。

乳房解剖学的評価とデザイン設計

• ・乳房底径（ベース幅）、バストトップ位置、乳頭の向き、左右差の有無を詳細に計測
• ・皮膚の厚み、乳腺量、脂肪層の厚みを触診・超音波で評価
• ・バストとデコルテの移行部の自然なカーブ設計
• ・術後のインプラント位置ズレ・リップリング（表面の波打ち）回避設計

インプラントサイズ・形状選択の基準

• ・希望サイズと患者体型に合致するベース幅の選定
• ・自然な膨らみを重視する場合はアナトミカル型、高い谷間形成にはラウンド型を選択
• ・プロジェクション（突出量）は乳房皮膚の伸展性を考慮

左右差・乳頭位置補正の工夫

• ・左右の乳房底径・ボリュームに差がある場合、異なるサイズ・形状のインプラントを左右別で選択
• ・乳頭位置の補正が必要な場合、同時に乳頭乳輪形成術を併用

患者一人ひとりの体型と希望に合わせ、ミリ単位でのデザイン調整が不可欠です。

 

麻酔・手術の流れ

豊胸手術は原則として日帰りまたは1泊入院で行われます。術式により麻酔方法や手術手順が異なりますが、一般的な流れは以下の通りです。

1. 1.や2.のように数字をつけることで
   • 1. 術前マーキング・デザイン確認：座位で乳房・乳頭位置、インプラント挿入予定ラインを再確認しマーク
   • 2. 麻酔導入：全身麻酔または静脈麻酔＋局所麻酔（術式・患者希望により選択）
   • 3. 消毒・ドレーピング：無菌操作で術野を準備
   • 4. 切開：乳房下縁・乳輪周囲・腋窩などからアプローチ（術式による）
   • 5. ポケット作成：大胸筋下または乳腺下にポケットを作成
   • 6. インプラント挿入または脂肪注入：滅菌操作下で慎重に挿入・注入
   • 7. 止血・ドレーン留置（必要時）：出血を最小限にし、ドレーンは翌日抜去が多い
   • 8. 創閉鎖：吸収糸・非吸収糸で皮膚を縫合
   • 9. ガーゼ・固定：圧迫固定
   • 10. 覚醒・退室：麻酔からの覚醒と術後観察

脂肪注入法の場合は脂肪吸引・精製工程が加わります。手術時間はインプラント法で1.5～2.5時間、脂肪注入法で3時間程度が目安です。

 

術後経過と合併症リスク

術後の経過管理と合併症予防は、長期的なバストの美しさ・安全性維持のために極めて重要です。

術後の一般的経過

• ・腫脹・内出血：術後2～3日がピーク、1～2週間で自然吸収
• ・痛み：術式や個人差によるが、1週間程度で軽快
• ・抜糸：7～10日目（吸収糸の場合は不要）
• ・圧迫固定：1～2週間、術後はノンワイヤーブラ推奨
• ・日常生活：デスクワークは数日、運動・重労働は2～4週間で徐々に再開

主な合併症とその対策

• ・カプセル拘縮：インプラント周囲に被膜ができ硬くなる現象。マッサージや定期検診で早期発見。
• ・感染：発熱・赤み・痛みが持続する場合は早期に抗生剤投与、重症例はインプラント除去も検討。
• ・左右差・位置ズレ：デザインの工夫と術後管理で最小化。明らかなズレは再手術適応。
• ・脂肪壊死・石灰化：脂肪注入法特有。術後のしこりや硬結は超音波・MRIで評価。
• ・その他：乳頭感覚鈍麻、創部瘢痕、皮膚壊死、血腫など。

合併症リスクは完全にゼロにはできませんが、術前評価・術中操作・アフターケアの徹底で大部分が予防・早期発見可能です。

 

アフターケアと長期的なバスト維持

豊胸術後のアフターケアは、バストの美しさを長く保つための大切なプロセスです。

術後ケアのポイント

• ・圧迫固定・腫脹管理：術後1～2週間は医師の指示通り固定を継続
• ・マッサージ：インプラント法では術後マッサージ（医師指示）が有効な場合あり
• ・創部ケア：傷口の清潔保持、軟膏塗布、紫外線遮断で瘢痕を目立たなく
• ・定期検診：術後1週間、1か月、3か月、6か月、1年ごとにバストの状態チェック
• ・乳がん検診：インプラント挿入後も定期的な乳がんチェックを推奨（超音波・MRI併用）

長期的なバスト維持のために

• ・体重の急激な変動を避ける
• ・適切なブラジャーの着用習慣
• ・シリコンインプラント挿入例では10～15年ごとの入れ替え検討（破損や石灰化予防）

バストの美しさと健康を維持するためには、術後の生活習慣と医師との継続的なフォローが不可欠です。

 

再手術・トラブル時の対応

豊胸術は一度の手術で終わるものではなく、長期フォローが必要です。トラブル時の対応についても知識を持っておくことが大切です。

再手術の主なケース

• ・カプセル拘縮による硬化・変形
• ・インプラント破損・内容物漏出
• ・左右差・位置ズレ・アシンメトリー
• ・脂肪壊死・しこり・石灰化による審美的不満
• ・感染・皮膚壊死・創部トラブル

再手術時の検討事項

• ・既存インプラントの種類・位置・周囲組織の状態評価（MRI、超音波）
• ・新たなインプラント形状・サイズ・挿入部位の再設計
• ・被膜除去（カプスレクトミー）、脂肪注入併用の検討
• ・感染症例ではインプラント除去後、十分な抗菌治療期間を確保

再手術は初回手術よりも難易度が高く、熟練した美容外科医による慎重なプランニングが必須です。

 

豊胸術の最新トレンドと今後の展望

豊胸術は近年、より自然で安全な結果を求めて技術革新が続いています。最新のトレンドや今後の展望について専門的に解説します。

インプラントの進化

• ・最新のMotiva Ergonomixは自然な動きと感触を追求し、カプセル拘縮リスクも低減
• ・ナノテクスチャード表面（細かい凹凸）は、従来のラフテクスチャードよりも炎症・被膜形成を抑制

脂肪注入法のアップデート

• ・ピュアグラフトやセリューション（幹細胞添加）による脂肪生着率向上
• ・超音波ガイド下での均一かつ多層的注入テクニック

新たなアプローチの開発

• ・バイオマテリアルによる一時的補填材（吸収性ジェルなど）
• ・AI・3Dシミュレーションを活用したバストデザイン・術前イメージング

今後も患者の多様なニーズに応えるため、さらなる技術革新と安全性向上が期待されます。

 

まとめと信頼できるクリニック選び

豊胸手術は高度な専門知識と技術、そして丁寧なカウンセリング・アフターケアが不可欠な医療美容の一分野です。
理想のバストを叶えるためには、次のポイントを重視してクリニック・医師を選びましょう。

• ・専門医資格（美容外科専門医、日本形成外科学会認定医など）を有する医師が担当
• ・術前カウンセリングに十分な時間をかけてくれる
• ・リスク・合併症・再手術の可能性もオープンに説明
• ・術後フォローやトラブル対応体制が明確
• ・患者ごとのオーダーメイドデザインを重視

豊胸手術は単なるバストアップ手術ではなく、患者一人ひとりの美しさ・自信・ライフスタイルを支える医療です。信頼できる専門家と共に、納得のいく「理想のバスト」を実現してください。