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目の整形
二重まぶた形成と目元整形の術式比較とデザインの違い
理想の目元を叶えるための整形術式とデザイン比較
目元の印象は顔全体のイメージを大きく左右します。特に日本人をはじめとするアジア人は、目元に関する悩みや理想が多様であり、そのため多くの整形術式が開発されてきました。本記事では、二重まぶた形成を中心に、目元の美容外科手術の代表的な術式やそのデザイン性・効果の違い、またリスクおよび適応について、専門医の視点から詳しく解説します。
目次
- ・二重まぶた形成の代表的術式とその特徴
- ・目頭切開、目尻切開、たれ目形成など周囲の術式
- ・デザイン性と術式選択のポイント
- ・各術式におけるリスクと合併症
- ・術後経過とアフターケア
- ・まとめ:理想の目元をデザインするために
二重まぶた形成の代表的術式とその特徴
埋没法
埋没法は、切開を伴わず医療用の極細糸を用いてまぶたの内部で二重のラインを作る術式です。糸で皮膚と瞼板または挙筋を連結させることで二重を形成します。2点・3点・6点など留めるポイント数や固定法(瞼板法・挙筋法)によって持続力や自然さが異なります。
- ・メリット:ダウンタイムが短く腫れが少ない、傷跡がほぼ残らず修正もしやすい
- ・デメリット:まぶたが厚い場合や脂肪が多い場合は戻りやすい、永久的効果は期待しにくい
- ・適応:まぶたが薄い、元々のラインが薄くでも存在する人、初めて目の整形を受ける方
切開法(二重切開法)
切開法は、上まぶたを希望するラインに沿って切開し、余剰皮膚や眼窩脂肪・ROOF(retro-orbicularis oculi fat)を適宜切除、瞼板または挙筋に皮膚を縫合固定することで二重を形成します。全切開・部分切開(小切開)・ミニ切開などバリエーションがあります。
- ・メリット:元に戻りにくく、長期的な二重の形状維持が可能、脂肪除去や皮膚のたるみ取りも同時に可能
- ・デメリット:腫れや内出血などダウンタイムが長め、傷跡が3~6ヶ月残ることがある
- ・適応:まぶたが厚い、蒙古ひだが発達している、加齢によるたるみが強い場合
マイクロ切開法
数mm程度の最小限の切開を加え、埋没よりも確実性を高めながらもダウンタイムを短縮した術式です。小切開部から脂肪除去も同時に可能です。
- ・メリット:腫れが少なく、切開法よりも傷が目立ちにくい
- ・デメリット:大きな皮膚のたるみや厚みには不向き
- ・適応:埋没法では戻りやすいが、全切開を避けたい人
目頭切開、目尻切開、たれ目形成など周囲の術式
目頭切開
蒙古ひだ(medial epicanthus)を切開し、目の横幅を広げる術式です。Z形成、W形成、内田法、韓流法など術式名があり、傷跡の目立ちにくさや広げる量の調整で選択されます。
- ・メリット:目が大きく見える、平行型二重のデザインが可能
- ・デメリット:傷跡が体質によって残る場合がある、やりすぎると不自然になる
- ・適応:蒙古ひだが発達している、一重・奥二重で目が小さい印象の方
目尻切開
目尻側の皮膚や眼輪筋を切開し、目の横幅を拡大する術式です。外側靭帯(lateral canthal tendon)や眼輪筋の剥離・再固定がポイントとなります。
- ・メリット:目の横幅拡大、切れ長・優しい印象作り
- ・デメリット:効果が限定的な場合もあり、戻りやすいことがある
- ・適応:目の横幅が狭く、外側に拡大したい方
たれ目形成(下眼瞼下制術・グラマラスライン形成)
下まぶたの外側を下げることで、たれ目・優しい目元を作る術式です。皮膚切開法・結膜側アプローチ・糸による吊り下げなどがあります。
- ・メリット:優しく女性的な印象、白目の露出増加で目が大きく見える
- ・デメリット:結膜浮腫や外反(ectropion)などリスクがある
- ・適応:つり目が気になる方、より大きく丸い目にしたい方
デザイン性と術式選択のポイント
二重のデザイン:末広型と平行型
二重ラインは大きく「末広型(natural fold)」と「平行型(parallel fold)」に分類されます。末広型は日本人に多く、自然で控えめな印象。平行型は華やかで欧米的な印象を与えます。蒙古ひだの強さや目頭切開の有無で作れる幅が異なります。
- ・末広型:自然で控えめ、蒙古ひだが強い人に適する
- ・平行型:華やか、目頭切開や蒙古ひだの弱い人に適する
まぶたの厚みと脂肪量による術式選択
上まぶたの皮膚の厚みや脂肪量は術式選択に重要な影響を与えます。厚い場合や眼窩脂肪・ROOFが発達している場合は埋没法より切開法が適します。また、まぶたのたるみが加齢で強い場合も切開法が適応となります。
目元全体のバランスデザイン
二重形成単独でなく、目頭・目尻切開、たれ目形成、さらには上眼瞼脱脂や下眼瞼脱脂(クマ取り)などを組み合わせることで、より理想的な目元デザインが可能です。顔全体の骨格や眉毛・鼻とのバランスも考慮します。
各術式におけるリスクと合併症
主な合併症・リスク
- ・腫脹・内出血:術後数日~2週間程度
- ・感染症:稀だが創部が赤くなり膿を持つ場合がある
- ・左右差:元々の骨格・筋肉・皮膚の左右差が顕在化することも
- ・後戻り:埋没法で多い、切開法でも稀に起こる
- ・傷跡:体質や術後のケアで肥厚性瘢痕や色素沈着が長引く場合
- ・ラインの消失・不整:時間経過や組織の癒着状態による
- ・外反・結膜浮腫:たれ目形成や目尻切開で発生し得る
リスク回避のポイント
- ・的確な適応判断と術式選択
- ・術者の技術とデザインセンス
- ・術後の適切なケアおよび早期受診によるトラブル対応
術後経過とアフターケア
術後の腫れ・内出血の対策
- ・冷却:術後48時間はアイスパック等で冷やすことで腫れを抑制
- ・安静:血圧上昇を避けるため激しい運動や飲酒を控える
- ・抗生剤・消炎鎮痛剤の内服
抜糸・通院スケジュール
- ・埋没法:原則として抜糸不要、1~2週間後の経過観察
- ・切開法:5~7日で抜糸、経過観察は1ヶ月・3ヶ月後など複数回
日常生活の注意点
- ・洗顔・メイクは術後の医師指示に従う(通常抜糸後から可能)
- ・強くこすらない、紫外線対策を行う
- ・腫れが落ち着くまで(2~4週間)は経過を見守る
まとめ:理想の目元をデザインするために
目元の整形は、二重まぶた形成だけでなく、目頭切開・目尻切開・たれ目形成など多様な術式とデザインの組み合わせが可能です。まぶたの厚みや骨格、希望する印象によって術式の選択肢や適応、リスクが異なります。確実な満足を得るためには、十分なカウンセリングを行い、ご自身の理想と現実的な適応のバランスを専門医と共に考えることが大切です。
美容外科医の豊富な経験と繊細なデザイン力、そして術後の丁寧なケアによって、自然で美しい理想の目元は実現できます。術式ごとの特徴をしっかり理解し、納得のいく選択をしていただくことが、長期的な満足と安心への第一歩です。